【仮説】F1種を食べ続けると不妊になるか?

この記事は、野菜の品種と妊娠率に関するお話です。
「固定種」に興味がある方全般に新たな視点を提供できたら幸いです。

私は、20代後半、自分の出産を考えるようになった時期に、下記仮説に出会いました。

<仮説>
  F1種を食べ続けていると、不妊になる

とってもインパクトのある仮説ですよね。

本記事では、この仮説について、私なりの考えをまとめました。
(科学的根拠は大してありません、あくまで私の考えです。)

この手の話は、業界関係者(農家、市場、スーパーマーケット、政府等)にプラスの話ではないため、テレビや週刊誌で大々的に取り上げられたことは過去にほぼなく、今後もないと考えています。

その為、この仮説が初耳で、頭の中が疑問だらけの方は多いことでしょう。

以下、順を追って説明します。

この記事は以下のような方にオススメ
  • 固定種に興味がある
  • 妊活や不妊治療を始めていて、妊活対策として、根本的に食生活を見直したい
  • F1種から採った種を蒔いても芽が出ない、そんな野菜を食べ続けることに疑問を持っている

【定義】「F1種」って何?「固定種」って何?

この仮説やタイトルにある「F1種」という言葉の定義についてまずは説明します。

「F1種」の対となる品種グループが「固定種」となります。

「F1種」と「固定種」は、いずれも野菜の「品種」の種類、グループです。

ざっくり言うと、野菜の品種は「固定種」と「F1種」に分けられます。

世に出回っている野菜の比率は、「固定種」が1%「F1種」が99%と言われています。

「F1種」とは

私たちが日々食べているスーパーで売られている野菜の品種は、「F1種」です。

例えば、トマトの場合、有名な品種で例えば「桃太郎」「アイコ」がありますが、いずれも「F1種」です。

また、ホームセンター等で売られている野菜の種や苗も、「F1種」です。

「F1種」とは、「品種改良された、雑種一代目の種」を意味します。

英語で「Filial 1 hybrid」を意味し、その略称です。

「〇〇交配」と表示されている種は、「F1種」です。

特徴は、収量が多く生育が均一で、非常に効率的に栽培できます。

戦後50年間で一気に世に広まった、とても優秀な種です。

日本の食糧自給率をこれ以上低下させない為には、欠かせない種です。

戦後に産まれた私たちは、「F1種」の野菜を食べて育ったということになります。

「固定種」とは

他方で、「固定種」は、長年、他の品種を交配せずに単一の品種で育てられ続けた品種です。

生育が均一でなく、F1種ほど収量が多くありません

生育が遅いため、種蒔き~収穫まで期間を要し、その分手間もかかります。

その結果、長期間、畑を占領するため、二毛作や三毛作はなかなか難しいです。

戦前まで広く使用されてきた種ですが、今やスーパーでは販売されていない野菜です。

固定種の種や野菜を販売しているお店や農家は、非常に少数派で、市場に出回らず、多くがインターネット上で消費者へ直接販売されています。

固定種を少品種多量栽培することは特性上困難なので、固定種を栽培している農家は、多品種少量栽培していることが多い印象です。

おじいちゃんおばあちゃんが懐かしむような、不揃いで味の濃い、昔の野菜です。

例えば、トマトの場合、皮が薄く甘みが強いといった万人受けする味のF1種は多数出回っていますが、それに対し固定種は
  甘みがほのか、酸味が強い、皮が厚い、爽やかな薄い味、歯ごたえがある 等、
万人受けしない要素を多数揃えている、個性的な味や食感が多い印象です。

在来種や原種と呼ばれる品種は、多くが固定種に該当します。

以上の特徴を表にまとめると、以下のようになります。

F1種固定種
流通している比率99%1%
定義品種改良された、雑種一代目の種他の品種を交配せずに単一の品種で育てられ続けた品種
トマトの品種例「桃太郎」「アイコ」「世界一」「アロイ」
どこで販売されているかスーパーマーケット
ホームセンター
個人店、一部の農家
栽培方法と販売先単一大量栽培
市場へ出荷
多品種少量栽培
インターネットにて消費者へ直接販売
栽培の特徴収量:多く
生育:早く均一 →二毛作、三毛作が可。
収穫物の形:均一
収量:少ない
生育:遅く不均一
収穫物の形:不揃い
甘みが強く、皮等は薄く、
万人受けする味
素朴で濃く個性の強い
(酸味が強い、皮が厚い等、万人受けしない味の品種も多数ある)
主に栽培されている時期戦後~現代戦前

仮説「F1種を食べ続けていると、不妊症になる」とは

この仮説は、固定種の種屋さんである、野口勲さんが提唱している仮説です。

野口勲さんの各記事や著書「タネが危ない」にて説明されています。

インターネットで以下のように検索すると、関連する記事や動画がヒットするので、詳しく知りたい方は参照してみてください。

なお、野口さんが警鐘を鳴らしているのは、本仮説ではなく、F1品種が世界的に普及することで、固定種や在来種の種子が減少し、生物多様性が失われることへの懸念です。この懸念を言及する過程で、本仮説について触れています。

仮説の概要

 F1種には、「雄性不稔」という特質があります。

つまり、おしべがない。人に例えれば、無精子症

これは、F1種の種を作る過程で結果的に生じてしまう特質です。

この仮説は端的に言うと、

遺伝子的に欠けている(おしべのない)種から育った野菜を食べる続けると、
その食べた人間も遺伝子的に欠けてしまう(無精子症、妊娠しにくい体)

ということです。

野口勲さんの文献等に根拠が記載されていますが、根拠としては弱い部分もあるので、
あくまでも仮説なのかなと私は感じました。

【雄性不稔】F1種の実から採った種を撒いても育たない

上述した「雄性不稔」について、もう少し詳しくご説明します。

雄性不稔に関して各特徴をまとめると以下の通りです。

F1種
  • 品種改良された、雑種一代目の種
  • 遺伝子情報が安定していない
    →交配後の一代目は均一で優秀な作物が育つが、二代目以降は育たない
固定種
  • 交配せずに単一の品種で育てられた品種の種
  • 安定した遺伝子情報を持
    →何代目であろうと、自家採種した種を植えると、強い芽が出てたくましく育つ

F1種において、おしべがない一代目から、おしべの遺伝子情報が安定した種は作られず、その結果、二代目以降は発芽すらしないか、発芽しても二葉で成長が止まったり、弱い個体であったりして、収穫までたどりつく可能性は著しく低いです。

実際のところ、私もF1種の野菜(トマトやカボチャなど)から採種した種を植えたことがありますが、ほとんど芽が出てこない上に、出てきたとしてもヘロヘロした弱い芽で、二葉で成長が止まってしまうことが多く、収穫までだどりついたことはありません。

【私の考え】立証されてからでは遅い。固定種の野菜を食べて生きていきたい

この仮説は、あくまで仮説であり、極論なのかもしれません。

ただ、野口勲さんの記事や講演会動画を見て、F1種は少なからず人間の生殖機能に悪影響を与えていると私は確信しました。

しかし、「F1種」は、深刻化している下記日本の問題を解決してくれており、不可欠な存在です。

  • 農家高齢化
  • 野菜価格の高騰
  • 田畑の荒廃化
  • 食糧自給率低下

「F1種」がなければ、低コストで野菜栽培することが出来ず、スーパーで売られる野菜は、今より高価かつ少量の販売となっていたでしょう。

「F1種」がなければ、低コストで野菜栽培することが出来ず、農家人口が更に激減し、食糧自給率が更に低くなっていたことでしょう。

現代の農業が「F1種」で成り立っている以上、この仮説の科学的根拠が今後完全に立証されたとしても、マスコミが取り上げ、国民が広く認知することはない気がします。

ただ、その上で私が注目したいのは、自分は今後もF1種を食べ続けるのか?ということです。

上述した業界や時代の流れの事情はさておき、
今後、自分がどうするのか、選択肢は3択です。

①今まで通り、スーパーで購入したF1種の野菜を食べ続ける
②固定種野菜を栽培している農家から直接野菜を購入する
③これを機に家庭菜園を始め、自分で固定種野菜を栽培する

私は自分の子や孫に、子孫を残す選択の自由を確保したいと強く感じたので、選択肢③を選びました。

野菜は毎日食べるものなので、一回きり固定種野菜を食べたからと言って、体への影響は微々たるものだと思ってます。

やるなら継続可能な、日々食べる野菜大半を変えていきたいと思いました。

F1種を食べ続けた両親(私達世代)から産まれた子の生殖機能がどうなっているのか。

その答えは、時期的にそろそろ結果として表されるのかなと想像しています。

【私の経験】不妊治療を経て思うこと

この仮説と出会った時、私はまだ独身でした。

当時の私は、今後の自分の出産の可能性に危機感を感じました。

しかし、固定種の野菜はスーパーでは売っておらず、
自分の住んでいる地域で固定種を栽培している農家はおらず、
送料をかけて毎週のように購入することは自分の経済力を考えると現実的ではないと感じました。

そこで、「固定種」の野菜を種から育てることにしました。

あれから数年。

今や、二児の母ですが、自分の妊娠に固定種が影響しているかは不明です。

ただ、妊活の過程で人工授精6回を経験し、不妊の原因について思いを巡らせてきました。

人工授精6回って、不妊治療界でみると初期ステージですが、
人工授精でも十分つらかったです。心身共に消耗しました。

結局、体外受精にステップアップする前に妊娠しましたが、体外受精は人工授精より遙かに心身共にキツい治療です。

この思いを未来の自分の子に経験させたくないと治療中はひしひしと感じてました。

固定種を食べる事が、不妊改善に直結するか、わかりません。

ただ、我が子の為にできることはしておきたい、と私は思うのです。

【最後に】固定種の野菜を食べましょう

戦前は10人子供がいることが珍しくなかった。

それに対し、今は一人妊娠することすら苦労する。

晩婚化、高齢出産等、年齢だけでは説明できない原因があると感じてます。

このような考えから、私は、世界で1%の「固定種」の野菜を手間暇かけて栽培してます。

固定種は成長が遅い為、世話する日数もその分増えますし、品種改良されていないので病気に弱く、時には全滅する場合もあり、本当に手間がかかります。

また、ホームセンターに売っている苗もまた「F1種」が大半で、固定種の苗を入手することは非常に困難です。

その為、固定種を栽培する為には、苗ではなく種から育てる必要があります。

固定種は、化学肥料や農薬と相性が悪いので、私はともに使用しておりませんが、
種から育て、農薬を使わずに、時には自然(病気や虫)に淘汰され、収穫に至った野菜は、強い個体です。

他方で、市場に出回っているF1種の野菜は、農薬に守られている為、弱い個体でも収穫に至ります。

その意味でも、強い個体(野菜)を食べて、自分や自分が関わる方々の免疫を強くしていけたらいいなと思ってます。

農薬や化学肥料を使わずに、種から栽培しても、家庭で消費しきれない量以上を収穫出来ます。

そして、収穫した野菜は、形は均一ではなく、個体差が大きいですが、味が濃く感じます。

畑にいる時間が長いので、その分、大地や太陽から養分を蓄えている為だと思います。

私が栽培した固定種野菜は以下で販売しておりますので、良かったらご覧ください。

話は戻りますが、
妊活対策として、鍼灸、温活/冷え改善、腸活、マカ、葉酸摂取はよく聞きますが、
「固定種の野菜を食べる事」も妊活対策の一環として広まって欲しい、という思いからこの記事を記しました。

このブログを立ち上げた一番の理由は、この記事を書くためです。

最後まで読んでくれて、ありがとう。

今日も素敵な一日になりますように☀

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