【ブラウント病】2歳から装具治療開始し、2年経過。効果はいかに?

ブラウント病は、膝の骨の病気で珍しい病気です。1歳半以降もO脚が強く、何もないところでも転ぶことが多いです。本記事では、2年間の装具治療の結果について体験談をまとめてます。1歳半検診でO脚について指摘を受けた方や、既に診断を受けた方の参考になれば幸いです。

1歳半検診の時に、病気の可能性を加味して、O脚の程度をチェックされます。

症状としてO脚が激しくなる病気で有名なのは、「くる病」。

その他に、「ブラウント病」というものがあります。

娘は、「ブラウント病疑い」と診断を受け、2歳2か月頃から、装具治療を開始しました。

その後、3か月に一回ペースで通院し、経過観察してきました。

現在、娘は4歳0か月。装具治療を始めて2年程経過しました。

今や疑いはほぼとれ、「ブラウント病」と診断を受けてます。

当初は、半年程度で装具治療が終了するだろうと淡い期待を抱いていましたが、今は、結局3年以上は装具をつける事になるだろうと覚悟してます。

ブラウント病は珍しい病気なので、インターネットで調べても得られる情報が少なく、私は多々悩んだので、誰かの参考になればと思い、体験談として記事にまとめてました。

ブラウント病とは

「Blount病」「ブラント病」「ブローント病」とも呼ばれています。

簡潔に言うと、スネの骨の膝近くが変形する病気です。

レントゲンで判断が付きます。

原因

不明。

遺伝的素因、早期歩行などが一因になるようです。

ちなみに我が子の歩き始めたのは1歳1か月頃なので、早期歩行には該当せず、やはり原因不明です。

症状

見た目の症状としては、O脚の進行。

何もないところで転びます。

我が子は1歳半差の年子で、姉の方がブラウント病治療をしているのですが、弟が1歳以降歩くようになってからずっと、年下の弟よりも姉の方が転ぶ頻度は遙かに多いです。

日常的に転ぶので転ぶ事に慣れているせいか、転んだ時に泣くことは滅多になく、走りながら転んだ時さえも、泣かずに自力で立ち上がってまた走り続ける、ということはよくあります。

治療

6歳以前は、装具治療、

6歳以降は、手術というケースが多いようです。

というのも、6歳までは、骨が成長しているので外的な矯正で治療可能だが、それ以降は困難。

また、手術可能な年齢は6歳以降とのことです。

その為、6歳までに装具治療をして、それでも完治しなければ6歳以降に手術するか要判断というところです。

なお、2歳半以前では生理的なO脚か、ブラウント病か、診断を確定させることは困難なので、程度に応じて治療しつつ、定期的にレントゲン写真を撮って経過観察していき、4歳以降に診断が確定するようです。

その為、2歳前後でブラウント病疑いとされていても、結局ブラウント病ではなく生理的O脚だったケースもあるようです。

1歳半から4歳までの経緯

元々、私自身もO脚だったので、1歳過ぎまでは、娘のO脚をさほど気にしていませんでした。

自治体主催の1歳半検診における内科検診時に指摘を受けたことをきっかけに、何かしらの病気を疑いました。

具体的な経緯については、以下に記載していますので、良かったらご覧ください。

概略としては、

1歳半検診で市内の総合病院への紹介状をいただき、半年かけて検査を実施。

検査の結果、問題なしといわれる一方で、娘が何もないところで派手に転ぶ回数が増えていくことが気になって仕方がない。

他の整形外科を受診したりするも、小児整形は専門外だと断られたこともあります。

そんな時、当時通ってた保育園の定期健診で小児科医の先生が心配してくれて、県立こども病院への紹介状を書いてくれました。

そこから治療開始まではとても早かった。

通常、県立こども病院の予約をとるのに1ヶ月要すところ、その小児科医の先生がすぐ受診してもらえるよう話をつけてくれて、翌週に県立こども病院を受診。

受診当日に「すぐ装具治療を開始しましょう」と言われ、足の型どり、仮装着、装具完成、装具微調整を経て、装具治療スタートとなりました。

装具作成に1~2ヶ月要し、装具治療開始したのは、2歳2か月。

病気を疑ってから、8か月経過後。

半年以上、病気かはっきりしない時期が続く中でも子供は何もないところで転び続けており、病気でないわけがないという思いが強くなっていたので、治療開始できたことで一歩進めたように感じ、安堵したことを覚えています。

2年間の装具治療の結果、効果はあったか?

娘のブラウント病の重症度は、左足は2、右足は1と言われており、比較的軽度のようです。
(1の方が軽度。)

2歳2か月から装具治療を開始し、現在4歳0か月。

2年弱経過したことになります。

3か月に一回のペースで通院し、成長に合わせて装具の長さの微調整とレントゲン写真を撮り、改善されているか経過観察をしてきました。

今回の通院では、1歳半から今まで2年半の間の、半年~1年ごとの骨の角度を見せてもらいました。

※数値一覧orレントゲン写真

※O脚側から見た角度。マイナス値はX脚。

 1歳6か月2歳0か月2歳8か月4歳0か月
    
    
一般的な範囲0~10°5~-5°0~-10°-5~-15°

「一般的な範囲」はあくまで目安で、3歳半でー20°のX脚の子もいるようです。

3歳半までは、成長の過程でO脚からX脚になる時期なので、角度の改善が、成長による影響か、装具の効果は区別することは難しいです。

しかし、装具治療をした2年間を振り返ると、装具の矯正ベルトを強く締められている時期(育休中)とそうでない時期(保育園入園後)がありましたが、その時期と骨の角度の改善具合は影響しているように感じます。

具体的には、装具治療をした最初の一年は私が育休中で、私が矯正ベルトを強く締めれる環境にあり、実際に強く締めていたので、骨の角度改善は顕著でした。

3歳から保育園に登園するようになり、1日の装具装着時間の大部分が保育園で過ごしている時間になるので、矯正ベルトの締め具合を保育士さん任せにしてしまい、お迎え時の締め具合の様子から、強く締められていない時期が半年程度ありました。

やはりそういう時期は、レントゲン写真を撮った際に「前回と全く変化ない(改善が見られない)」と言われました。

どうしても、3歳前半はまだイヤイヤ期も少し残っていて、家庭で一対一で過ごしていた時期と同程度に締めるよう保育士さんに求めることは難しいものがあります。

また、自分が職場復帰したばかり、かつ保育園の洗礼を受けていた時期なので、装具の締め具合に手が回ってませんでした。

この2年間の間ずっと、矯正ベルトを強く締めていれば、装具治療の効果はもっとあったのだろうとは思います。

ただ、それを認識していたとしても、実現するのは今考えても難しかったと感じます。

装具治療の効果はあったが、転ぶ頻度は変わっていない

上述した通り、骨の角度はこの2年半でだいぶ改善しました。

右足は、20°→3°で17°の改善。

左足は、27°→17°で10°の改善。

しかし、未だに何もないところで転びます。

これは、転ぶ様子を見ていて私が感じたことですが、

1歳半の時は、左右差が7°。

4歳の今は、14°。

左右差が2倍になっています。

左右非対称なので、左足がもつれて転ぶようになったと想像しています。

装具治療を中断して、手術を覚悟する選択肢もある

装具治療をどの程度の期間や時間/日、継続するかについて、医師の間でも個人差が大きいようです。

そして、日々装具を装着するのは、当事者の子であり親であるので、医師の先生がどんなに強く装具治療を勧めたとしても、装着してくれない場合は、装具治療をせずに手術に至ることもあるようです。

娘を担当していただいている先生は、そういった装着の大変さを認識しているからか、日々の装着自体を強く指導することはありませんでした。

それもあって、私はなおのこと考えさせられ、先生の考えやケーススタディをお尋ねし、自分がどの程度の熱意をもって装具治療に挑むか、考えてきました。

また、親が少しでも「装具付けなくてもいいか」と考えていればそれを子は察し、装具を付けたくないとイヤイヤし続けます。

特に、我が子が装具治療を開始した2歳2か月頃は、イヤイヤ期真っ盛り。

装着してもらうのが実に大変でした。

当時の様子は以下に記載してますので、良かったらご覧ください。

4歳になった今は、装具装着が習慣化し、骨が曲がっている為に治療が必要だという事を娘は理解した上で、自ら装着しています。

多感なこの時期に装具治療をしない方がいいという考えもあり、今後も装具治療を継続するのか、親の判断に委ねられている部分があります。

今、装具治療を辞めて、手術する覚悟をする選択肢もあります。

その選択肢を視野に入れ、装具装着が習慣化した今でも、今後も装具治療を継続するのか、私自身、考えています。

考えた結果、現時点で私は、装具治療の効果が出ている限り6歳頃までは装具治療を継続し、できるだけ手術を回避する選択を望んでいます。

理由は、手術は合併症リスクが少なからずあるし、手術するとなれば確実に2度は必要。

再発して4回手術を行った方もいる。

手術有無に関わらず、将来痛みが出てくる可能性は十分にある。

もし中学高校の時期に痛みが出てきて運動部に所属していたら、部活動の練習や試合に制約が出る。

そういったことを考えると、装具装着が習慣化している中でわざわざ中断する選択肢を取る理由はないと考えています。

現在の課題 ~可哀そうだからという理由で夫が装具治療を終わりにしたがる~

他の子が付けていない装具を自分だけ付けていることが可哀想、という理由で夫は装具装着終了を望んでいます。

先生の話によると、これは夫あるあるだそうです。笑

確かに保育園生活で自分だけ装具をつけて生活することは、本人に心理的な負担がありますが、

それを加味しても将来的に装具治療が必要だから装具を日々装着している訳です。

それでも夫は、目先の日々の本人の心情を気にしてしまうのでしょう。

医師の先生曰く、

小学生になったら本人の心情に対する配慮が必要だが、保育園に通っている年齢の時期は、大人が考えている程、周囲と自分を比較していない

だそうです。

夫は「可哀想だから」と言っていましたが、他の子と違うことを気にしているのは本人ではなく夫なのだろうと私は思ってます。

(そもそも自分の子を「可哀想」ということ自体、私は違和感を感じる。笑)

また、装具治療で治るかもしれない可能性を親が潰すことの方が、いわゆる「可哀想」だと思います。

夫の場合、ブツブツとだだをこねている状態で、その可哀想だという気持ちを自分で消化しようと努めているので、夫個人の課題として私はあまり触れないようにしています。

夫が気持ちを整理出来て装具治療の覚悟が決まるまでは、そっとしておく為に私が通院の連れ添いをしようと思ってます。

今後の見通し

装具治療終了のタイミング

6歳までは、骨が急成長しているので外的な矯正で装具治療可能と言われています。

「6歳まで」というのは、おおよその目安で、個人差が大きいです。

具体的な指標としては、レントゲン上で骨の角度の改善が停滞したら、矯正されていないということなので、装具治療終了となるようです。

娘の場合、あと約2年。

あと2年で手術不要な領域まで矯正できるか、というところです。

以前は、3ヶ月の通院の度に、症状が突如改善していて、「これで装具治療を終了にしましょう」と先生に言われていることを期待していました。

今思えば、「そんな儚い期待をせずに、長期戦だと覚悟を持って治療に挑みなさい」と当時の自分に言いたいですね~。

軽度のブラウント病であろうとも、生理的O脚でない限りは、1年以内で装具治療終了になる可能性は著しく低そうです。

意外と、子ども本人よりも親が病気を受入れること、治療の覚悟が決まることに時間を要する気がします。

手術の可能性

通院時、将来的な手術の可能性について先生に時々聞いていますが、

「ほぼ確実に手術が必要」と言われることもあれば

「20~30%程度」と言われることもありました。

装具の矯正ベルトを緩く締めている時期は、骨の角度の改善が見られず、「ほぼ確実に手術が必要」と言われる事が多いです。

一方で、きつく締めている時期は、骨の角度の改善が顕著なので、手術の可能性はかなり下がっていると言われます。

今、思う事 ~効果の有無に関わらず装具治療をしてきて良かった~

装具治療については、賛否両論あるようですが、結局は結果論です。

自分の子が装具装着に慣れてくれるか、そして、その効果があるのか、年単位でのレントゲン写真を後に眺めてにないことには分かりません。

結果論として、我が娘は装具装着を習慣化でき、その効果が確実にありました。

でも、それを2年前に分かったかというと全く分かりませんでしたし、予想もしてませんでした。

2年前に考えていたことは、1年程度装着し、結局「病気ではなくただのO脚でしたね!」となることを予想してました。

どうしても親は、良い結果を予想してしまうものだと思います。

そして、周囲もそうです。

じじばばには、装具装着が可哀想だと散々言われました。

それでも、装具治療に効果があることを信じて、イヤイヤ期の娘と正面から向き合って装着を習慣化するさせて良かったと心から思います。

もし私が2年前に、装具装着の習慣化を諦めていたら、装具治療ができる時期を私が放棄したように感じ、ブラウント病である事実を受入れることにもっと時間を要したでしょうし、後悔や責任を強く感じたと思います。

あくまで体験談ですが、ブラウント病疑いと言われているご家族の参考になれば幸いです。

今日も素敵な一日になりますように☀

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